6/9-10 奥只見/袖沢南沢 岩穴沢左俣左~白石沢スラブ

奥只見湖~田子倉湖の辺りは日本有数の豪雪地帯となっており、雪崩に磨かれて大きなスラブが発達している。

はじめてこのエリアに興味を持ったのは別冊太陽「日本の秘境」を読んだのがきっかけ。奥只見には「片貝ノ池&貝ノ嵓スラブ」というダムのバックウォーターに守られた幻の池とスラブがある!という記述を見て、いつか訪れたいと思っていた。

が、色々と記録を調べていると貝ノ嵓スラブの対岸には同規模のスラブがあるというのでそちらへ行くことに(グーグルマップでも見れるけどめっちゃデカイ)

難易度は高くないけど、秘境感強くて良いルートだった。

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<6月9日>
7:00奥只見ダム→袖沢南沢林道→9:30岩穴沢出会い→12:30稜線→15:00奥只見湖バックウォーター
今回の「白沢スラブ(仮称)」は奥只見湖のバックウォーターに面しているため、取り付こうと思ったら尾根向こうの奥只見ダムから林道歩き&沢&藪尾根のアプローチが必要になる。というわけで丸一日アプローチ。
今年は雪解けが早いと聞いていたがそこはさすがの豪雪地帯、林道も沢も雪が残っていた。おかげであまり期待していなかったが山の幸も少々頂く事ができた。

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登りに使う岩穴沢は多少の滝が出てくるらしいが、時期が早いこともあって雪渓に覆われており、ほぼ単調な雪渓歩きに終始。ただし、沢中の岩は事前情報通り結構ヌメっている。

また、30m大滝はこの時期でも露出していた。ロープを出すか少々迷ったが、今回は初顔合わせのメンバーもいるので念の為で2ピッチ。プロテクションは灌木で取れる。

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藪尾根を下降するとちょうど奥只見湖のバックウォーター。

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一段上がった場所にツェルトを張って、山菜をつまみに焚き火に勤しむ。

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<6月10日>
6:00幕営地→7:00白沢スラブ取り付き→8:00稜線→岩穴沢左俣右沢下降→10:00岩穴沢本流出合→13:00奥只見ダム
スラブ登りと下りに使う沢の状態(雪渓)が読めないので早めに出発。
ちょっとした高巻きを交えつつ、幕営地から1時間ほどでスラブの取り付きに到着。前日尾根を下降しているときも確認はしていたが流石に大きい・・・!

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が、実のところ斜度はそうとうユルい。とは言えピンは取れないので慎重に登る。

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背後に広がる奥只見湖と巨大スラブを見つつ、1時間ほどでトップアウト。

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10分ほど藪を漕ぐと、ちょうど下降に使う沢へ合流できた。

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 下降に使った沢もうまい塩梅に雪渓が残っており、淡々と高度を下げる。帰りも家の土産にする程度の山菜は得ることができた。

 

・登り、下りともに雪渓がちょうど良い状態で残っていたため時間が短縮できた。雪渓がズタズタだともう少し時間かかるか?

・標高低いのでベストシーズンは5月末~6月頭or9月~10月。

4月29日-5月1日 西表島 ピナイサーラの滝~板敷川~西表島縦断

GWはツアー系のスキーも悪くないと思っているが、家庭事情を考慮しつつここ3年は連続して西表島へ。バックパッカーには人気の島だが沖縄本島石垣島ほどの観光地化が進んでおらず、良い意味でユルい雰囲気が残っているのが気に入っている。
一昨年はユチン川、昨年は南部海岸線へ行ったが今年はヒナイ川~西表島縦断道を計画。今回も素晴らしい山行だった。

 

<4月29日>
8:45船浦海中道路→9:30ヒナイ川出合→10:30ピナイサーラの滝/11:00落口→14:30分水嶺/板敷川支流下降→17:20板敷川本流合流点(C1)

船浦の海中道路でバスを降り、入山準備。ここはピナイサーラの滝まで向かうガイドツアーで賑わうところ。入山時は潮が引き始めていたが、それでも水は腰程度。ヒナイ川の出合までひたすら干潟を進む。

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 ピナイサーラの滝まではトレッキングコースがあるらしいが、ここは沢屋らしく水線突破をチョイス。このあたりからガイドツアーのパーティーも現れ始め、生暖かい視線を受ける。(遭難未遂の人間と勘違いされ、注意された・・・)

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出合から1時間ほどでピナイサーラの滝へ。落差約54m、沖縄の滝としては最大で石垣島から西表島に向かう船からも確認できる。

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滝の落ち口まではガイドツアーも訪れるが、ここから先は篤志家の世界。沢的な難易度は高くないが滑りやすい岩と読図に気を使わされる。

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鬱蒼としたジャングルは湿度も高く開放感は乏しいが、日本離れした植生や生物が西表の魅力だろう。

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 途中で2つほど5-10mの滝を巻き、ピナイサーラの滝から4時間弱で板敷川との分水嶺に到着。分水嶺近くは支流が入り組みルーファイが難しく、慎重に方位を見極める必要がある。

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板敷川の支流は途中で小滝を巻き下った以外は特に問題なし。3時間ほどで板敷川の本流へ合流した。
ここから縦断道までは2年前に通過済みなので気が楽になる。本流を5分ほど遡行した場所に適地があるので泊。豊かな自然に遠慮して焚き火はやらなかった。

 

<4月30日>
5:40起床/7:10発→10:15マヤグスクのゴルジュ/10:50マヤグスクの滝落ち口→11:30西表縦断道合流→14:40第一山小屋跡→17:25大富林道→18:15仲間川展望台(C2)

4時には起きるつもりだったが激しく寝坊し出発が遅れる。

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マヤグスクのゴルジュまでは50-100m級の瀞が連続しひたすら泳ぐ。ここは2年前も非常に印象的だったところ。西表の沢登りのエッセンスを凝縮したようなところだと思う。

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GR270151 連続した大淵が終わると沢は次第に狭まり、マヤグスクのゴルジュへ。ここは右岸から高巻き、ゴルジュ出口で立ち木から20mの空中懸垂。マヤグスクの滝の上は半円状に大きく開けた劇場のような空間で、一度は訪れる価値のある場所だと思う。

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滝の下で水を浴びたあとは西表島の縦断道を大富林道へ抜ける。
ここは細かなアップダウンが続き視界も乏しい。独特の植生や西表の登山道を歩く、という点に意義を見出すルートだろう。

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17時半をまわる頃、大富林道に到着。ここまで来れば後は消化試合なので適地を探して歩くだけ。1時間ほどで良さそうな場所を見つけたのでテントを張った。

 

<5月1日>
5:30起床/7:00発→8:15大富集落
この日は下山するだけ。1時間ほどさとうきび畑の脇の農道を歩き、大富集落へ下山した。始発のバスで荷物を預けていた上原集落の宿へ戻って山行終了。

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<メモ>
・ガスボンベ(OD缶)は石垣島の離島ターミナルで購入。CB缶は西表島でも購入できる。
・今回は持参したが食料は西表島のスーパーでも一通り揃う。
西表島のバスは1日4-5本と数が少なくフェリーとの接続もない。入下山の時間帯は検討が必要。
・有害生物は蚊、ヌカカ、ハブ等。基本的に長袖長ズボン、手袋を着けて行動した。ヒルは多少いるが問題にならないレベル。