5月3日~6日 黒部源流スキー行

2月から全く山に行っていなかった今シーズン。
もう山スキーは諦めて沢に気持ちを切り替えようかと思っていたが、HRMTさんの好意で黒部源流横断Pに混ぜてもらうことが出来た。
メンバー:HRMTさん、MNPさん

<5月3日>(晴れのち雨、のち快晴)
6:00飛越トンネル→14:30北ノ俣岳
KTRさんのハイエースに同乗して飛越トンネルを目指すが、渋滞のせいで着いたのは朝の5時。交代で仮眠を取ってきたとはいえ完全な寝不足での出発となる。関西から来たMNPさんもかなりの寝不足のよう。

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飛越トンネル手前1.5kmほどのところから歩き、最初の登りを担ぎでパスしてからシール登高を開始。ここからは単調かつ長い登りが続くので非常に眠い。五体投地キメる人も出現する始末。とりあえず北ノ俣岳までの予定なのでゆっくり進む。

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朝は晴れていたが、次第に天気は怪しくなり標高2200m付近でついに雨が降りだした。崩れる予報なのは知っていたが、やはり雨は萎える・・・。
14時過ぎに北ノ俣岳山頂に着。この時は気分も萎え萎えだったのですぐにテントを張ったが、結局夕方には快晴となったのでもう少し頑張っても良かったかもしれない。
そんなわけで夕方からは濡れものを干したり、外に出てのんびり過ごした。
素足にブーツのアウターだけ引っ掛けて絶景を満喫。夕日に染まる北アルプスが美しい。

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入山祝いでHRMTさんが担ぎ上げてくれた鍋を食べて19時頃就寝。

 

<5月4日>(晴れのち曇り)
5:00北ノ俣岳→黒部源流→12:00祖父岳→14:30水晶小屋→16:00五郎池
黒部五郎カールを滑ってから高天原で温泉三昧の予定だったが、翌5日は悪天予報。予定を変更して今日のうちに行程を進めることにした。
朝日を浴びる北アルプスを望みながら行動する。

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本当は五郎カールを滑りたいのだが、時間を優先してウマ沢を滑降する。

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稜線直下は大斜面が広がるが、すぐに狭いパイプ状の沢へ。カリカリで滑りは楽しめないのでさっさと源流方向にトラバース。
源流に下りたら左岸を進んでいく。一箇所だけ崖状になっているので高巻きの要領でパスしたが、あとは特に問題になるようなところもない。祖父沢に入るところはあちこちにブリッジがかかっていたので渡渉も容易だった。

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ここからは祖父沢を800mのハイクアップ。ここも特に問題になるところはない。

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さて、雲の平は学生時代以来なので感慨もひとしおだが、祖父岳の登りから疲れが出てペースが落ちてくる。シートラーゲンに切り替えてからはガクッとペースが落ちてしまい、HRMTさんもMNPさんも好調な中でひとり足を引っ張ってしまった・。やはり怠けていたツケが・・・。
ワリモ乗越から水晶小屋までの稜線はしんどくて立ち止まっては肩で息をする始末。久々の北アルプス最深部の景色に自分を励ましながらなんとか登ったのだった。

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水晶小屋からは稜線は切り立っているので東沢を滑走してから登り返すのが無難。時間も時間なので高度を落とさないように五郎池方面へトラバースしていく。
まあしかし板をはいたら奇声を上げながらターンを決めたりして、我ながら現金なものだ。
所々雪も切れているのだが、後の登り返しを嫌って板履いたままハイマツに突っ込んだり。

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意外と板履いたままのハイマツこぎは楽だった。
とはいえこのトラバースは急かつ雪も固く、快適とは言いがたい。定石通り水晶東面カールから東沢を2100mまで滑って五郎池へ登り返すのがオススメかな。
トラバースの甲斐あって五郎池への登り返しは50m弱で済んだ。水晶をバックに裏銀座の稜線に抱かれ、なかなか秘境感が高い。

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とりあえずは安全地帯についたのでホッとする。ここまで来てようやく黒部を横断した感慨が湧いてきた。
必殺のキーマカレーペミカン(㌍:測定不能・・・)で翌日に備える。

 

<5月5日>(吹雪→雨)
6:00五郎池→7:30滑降ポイント→8:30五郎沢2050m地点→10:30湯俣岳→13:00湯俣
朝起きると雪+強風。稜線までは300mの登り返しだが次第に風が強まってきた。
気持ちの上がらないスタートだが、ペミカンのおかげか体は軽い。下界で食ったら胸焼け&吐き気確実な脂の量だがやっぱ山は食ってナンボだろう。

主稜線では時々耐風姿勢を取りながら滑降ポイントまで慎重に移動。この辺りではGPSに助けられた。
滑り出し直後は緊張したが、すぐに新雪がたまった適度な斜面に変わる。
今山行で唯一滑りを楽しめたポイントかも。そうは言っても高度を落とすとストップスノーとデブリで試練の滑りが続く。

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標高2050m付近のルンゼがから湯俣岳に登り返し。湯俣岳からの下りは1900m付近までスキーが使えた。
頑張ればこの日中の下山も可能だが、天然温泉に心惹かれて湯俣で幕営

雨で冷えきった体を温泉でゆっくり温めた。

湯俣の温泉はほんのり硫黄の香り漂う透明なお湯。シチュエーション・泉温ともに絶妙でいつまでも入っていられた。

なお、ムフフな写真()は遠慮して撮りませんでした。


<5月6日>(霧のち快晴)
朝風呂を浴びてから出発。名無避難小屋では硫黄尾根に向かった大学後輩の書き込みを発見した。3時間歩いて高瀬ダム。温泉に入ったあと松本で打ち上げて解散。

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黒部五郎カール・高天原水晶岳東面と美味しいところ取りを狙った今回の山行だが、天気に恵まれなかったせいもあってあまり滑りの方は楽しめなかったのが正直なところ。
とはいえ、限られた好天の中でゴールまで抜け切れたのは嬉しい。手持ちのカードを使っていかに目的を達成するか、山登りの醍醐味を味わえたようにも思う。
昨年3月に続き、2度めの黒部横断。ようやく地理的概念も掴めてきたのでまた違うルートで挑戦したい。

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