8月10-13日 飯豊川本流:その①

■はじめに

自分が本格的に沢に登り始めたのは山岳会に入会した2010年から。当時から飯豊川本流の事は知っていたが、先輩が言ったときの過酷なエピソード(雪渓下でのハーケン打ち、大落石、水無しビバークなど)が印象的すぎてなかなか自分で挑戦しようという気は起こらなかった。

ここ2,3年、自分も経験を積んでくる中で飯豊川本流を目指そうという気持ちが湧いてきたが、計画を立てる度に天候不順などで転進を繰り返す事が続いていた。自分も仲間も色々と忙しくなる中でこのままではマズイな・・・と思っているところ、予報を見るとなかなか良さそうな感じに。本番まであまりトレーニングを積めなかったが、貴重なチャンスを無駄にはできない!ということで飯豊本流に向かったのだった。

 

<8月10日>

6:50琴沢橋ゲート-7:30 加治川治水ダム-10:50 湯の平温泉-13:05 福取沢出合-14:45 黒沢出合先BP

 普段は加治川治水ダムまで車で入れるが、今回は工事のため1時間手前のゲートから歩き始める。猛暑の林道でメジロアブの猛攻を受け、長袖長ズボンでの林道歩きを余儀なくされる。以前はダムの先まで入れたという林道は今でもキレイなので、車で奥まで入れないのが恨めしい・・・。

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 大汗をかきながら林道と登山道を4時間歩いてようやく湯の平温泉に到着。いよいよ飯豊川に入渓だ。増水が少し心配だったが水量は平水よりやや少なめといったところで、青く輝く水が美しい。

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 水流が強く気を抜くと流されそうな場面もあるが、序盤は渡渉・泳ぎを交えながら快適に遡行を続ける。このまま行けば楽勝、との考えも頭をよぎったがいよいよ両岸が切り立ったゴルジュ地形となり、福取沢手前で突破できない淵が出てくる。ここは左岸ルンゼからさほど苦労せずに高巻くことができた。

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 福取沢出合を過ぎてしばらくで大釜を持つ4m魚止滝が出現。ここは大釜手前の右岸リッジに空身で1P伸ばし、段丘から高巻いて黒沢出合の先に降り立った。
 そこから少し進むと良い河原があったので、時間はまだ早いが行動を打ち切ることとした。この先はヒルカルの悪場が待っているので快適な幕場で鋭気を養うのが正解だろう。付近には乾いた流木も多数あり、盛大な焚き火を楽しんだ。

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