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夏合宿で飯豊 裏川櫛ノ倉沢~白蓬沢下降を開拓

山岳会の沢合宿で、飯豊の裏川櫛ノ倉沢~白蓬沢へ行ってきた。

裏川自体、20年ほど記録を見ないマイナーなエリアだけど、櫛ノ倉沢~白蓬沢の継続はたぶん初?なかなか歯ごたえのあるルートでした。

※遡行図と概念図を掲載しました

<8月11日>(晴れ)

5:30津川駅→6:40裏川堰堤→8:40要所口→11:40櫛ノ倉沢出合BP
前夜にOSKさんと新津駅で合流して、朝5時半のタクシーで裏川堰堤まで移動。津川駅の時点でメジロアブがうろちょろしていたので若干不安だったが、裏川に着いたら拍子抜けするほど少なかった。

 裏川へ来るのは2年ぶり。

weekendclimber.hatenablog.jp

 前と同じく釣り師の踏み跡は薄く、日当たりの良い崩壊地ではススキとイラクサに覆い隠されている。藪漕ぎを嫌って沢沿いの行動を試みるが、10分ほどで断念。水量は平水以下に見えるが、野太く重い流れだ。さすが裏川・・・!

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薄い踏み跡を拾いながら5時間ほど歩くと櫛ノ倉沢の出合に到着。出合付近は側壁が発達しているため、約200m手前の尾根筋から沢へ下降した。

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側壁の発達した陰鬱なゴルジュ。飯豊はV字の明るいゴルジュが特徴的だが、ここ裏川の雰囲気は独特だ。
時間的にはまだ行けそうだが、半休養日ということで出合の段丘を刈り払ってビバーク。生野菜カレーと杏仁豆腐で入山祝いをした。

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<8月12日>(快晴)

5:00発→11:30~13:30三段40m滝(高巻き)→15:30 640m四俣BP
出合の二段6m滝を右から小さく巻いて櫛ノ倉沢へ降り立つと朝イチから泳ぎが入る。深い切れ込みのゴルジュ、さすがに寒い。

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序盤の瀞と小滝をクリアすると25m滝が現れる。ここは左壁にロープ、続く4m滝も左壁にカムを取ってロープを伸ばす。朝イチの泳ぎで冷えた体には丁度いいウォーミングアップだ。

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この後も小滝が続いて10時前に450mの屈曲点へ。ここは当初予定していた幕営地だが、地形図から期待していたような平坦地はなかった。平らな岩盤の上に3人程度なら泊まれるかな。
屈曲点からすぐの5mナメ滝は空身で泳いで右壁に取り付く。先の7m、6m滝をパスすると二段6m滝。下段はハーケン2枚、上段はカムを取ってアブミで突破した。この先も10m、15mと滝が続く。15m滝は頑張れば登れそうだが、ヌメりが怖いので左岸の草付きからロープ2Pで高巻いた。

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連瀑帯のフィニッシュを飾るのは三段40mの大滝だ。一段目の上にバンドが走っているように見えたので右の急なリッジにロープを伸ばしたが、結構悪い。ここは滝の右のルンゼを詰めてからトラバースした方が良さそうだ。

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大滝の上もゴルジュは続くが、沢が開けて川原も出てくるようになる。640m付近の四俣で幕営とした。

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<8月13日>(晴れ)
5:30発→8:15 850m二俣→16:30櫛ノ倉沢支流770m地点BP
幕営地からすぐに4段25m滝。三段目までは問題なく登れるが、最上段は右壁のブッシュからロープを出した。その先の4m滝は左から小さく巻いて懸垂下降。沢は次第に開けてくるが、まだまだ滝が続いている。

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8時頃、850mの二俣。出だしは特に問題ないが、50mほどで崩壊寸前の雪渓が現れた。

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いろいろと二人で協議したが、先の状況も分からないので高巻きで雪渓を回避する事に。50mほどは草付きの斜面だったが、そのあとはシャクナゲの藪に消耗させられた。

斜面から沢の全貌を確認するが、崩壊した雪渓が転がり、山肌は脆そうなスラブに守られているのが確認できる。この時点で時間は11時。予定より3時間ほど遅れている。突っ込もうと思えば突っ込めるが・・・櫛ノ倉自体、あまり記録の無い沢だけに十分余裕をもって行動したい。残念だけど今回はココまで。アプローチの悪さを考えると涙モノだがしょうがないだろう。写真を撮ってから行きの藪を戻った。

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下降はすんなり行くと思ったが沢に復帰できたのは14時前。予定していたエスケープラインから白蓬沢へ入ることとした。770m付近の屈曲点から南の尾根へ詰め、南西に伸びる尾根を下降するとドンピシャで幕営適地。小さい焚き火を起こしてのんびりした。

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<8月14日>(曇りのち晴れ)

6:15発→9:10白蓬沢→10:40要所口→12:40裏川堰堤→14:30小荒集落
BPから100mほど沢を下ってからすぐ右岸尾根に上がり、小ピークから南西に伸びる尾根を250mほど下降すると白蓬沢右俣へ降り立った。

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 ここから沢筋を下降しても良いのだが、地形図を見る限りゴルジュが続きそうなので右岸の段丘をトラバースして566ピークから尾根筋を下降する。

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ちょうど降りたところが白蓬沢の二俣。左俣には三段25mの滝がかかり、右俣は暗いゴルジュ。まずまずの時間節約になったようだ。

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ここからは櫛ノ倉沢のようなゴルジュと小滝が連続する。360m付近の5m滝は左岸から巻き、三段10m滝は流木にロープを掛けて懸垂下降。320m付近の二段くの字滝を降りると後は穏やかな渓相だった。

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白蓬沢の二俣から1時間半で要所口に到着。あとは薄い踏み跡をたどりながら裏川堰堤まで戻り、長い林道歩きを経て下山したのだった。

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 <メモ>

・ロープは登攀に8mm×50m、懸垂下降に7mm×45mを使用

・プロテクションはハーケン各6枚(薄刃3、アングル3)、カムは小サイズ中心に4つ。ハーケンは薄刃のみ使用。

・踏み跡は薄いが、本流の遡行は困難なので裏川左岸の踏み跡を使ったほうが良い。

・我々はエスケープしたため3泊4日。初日は櫛ノ倉沢出合、2日目640m四俣、3日目支沢から白蓬沢下降と行動すれば2泊3日で遡行可能。

・側壁が立っており高巻きは困難。ある程度の登攀力が無いと遡行は厳しい。また増水時も逃げ場所が少ないため天候には十分気を付けたほうが良い。

・裏川堰堤まではフラットダート。2WDでも問題なく入れる。

・電波は日出谷駅を過ぎると入らないが、沢の中では櫛ノ倉沢800m地点付近で何故かAUの電波が入った。

<遡行図、概念図>

櫛ノ倉沢遡行図

櫛ノ倉沢概念図

 

大塔川黒蔵谷でウォータークライミングを満喫

7月の3連休は前から気になっていた南紀の黒蔵谷へ。
GWから10月まで泳げるらしいが、どうせ行くなら盛夏でしょ!と思って計画した。が、入山前はなんとも微妙な予報・・・まあ、なんとかなるだろうということで決行したのだった。

 

7月16日(土曜)晴れ

11:00入渓→15:30高山谷出合
言うまでもないが仙台から南紀は遠い。新幹線と夜行バスを乗り継いだ結果、18時半に会社を出て、入渓点に着いたのは翌10時。体はダルいが、年一のイベントと思えば何とか我慢できる。

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幸い天気は快晴で絶好の泳ぎ日和だ。入渓してすぐに挨拶代わりの10m鮎返滝。泳いで左壁に取り付いてからステミングで突破。他の人の記録ではサラッとしか触れてなかったけど、まあまあ渋かった。

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この先は泳いで、泳いで、泳いだ。普段行く沢では巻いてばかりなので、これほど泳ぐのは初めてだ。流れもなく易しいがさすがに疲れるが、南紀ブルーとでも名付けたいような水の色に心を奪われる。

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15時半頃に高山谷の出合に到着。先行パーティーは船橋労山だった。こんな所まで来て関東の山岳会に会うとは・・・

タープを張って焚き火を熾したが、食べたのは棒ラーメン。学生時代に吐くほど(マジで)食べたメニュー、変わったのは薬味を入れる知恵がついたことぐらいだろうか。でも、悪くない。
昔の話、今の話、これからの話し、いろいろ話したはずだがあまり覚えていない。気づいたら全員焚き火の近くで寝ていたのでタープへ移動。蚊もいなくて快適だった。

 

7月17日

6:00発→12:45野竹法師→14:00高山谷→15:30登山道合流点
昨日の夜は棒ラーメンだったが今朝は青の洞窟。これが社会人パワー・・・!気合を入れて朝イチから泳ぎがスタート。

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出合から少しで現れる滝は左壁から登り、巨岩帯をクリアすると13m滝と黒蔵滝だ。13m滝は右岸を巻いてから懸垂下降、黒蔵滝は左岸から巻いてクライムダウン。この山域らしく、灌木はあまり強くないので注意が必要だ。

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両岸が迫ってきて幕営適地が増えてきたら10mの斜瀑。一見逡巡するが、取り付けば意外と簡単だ。この先はかつての炭焼き跡か、石垣や割れた茶碗などが散見された。

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どんどん急になる沢筋から中間尾根に移ってしばらくすると、ドンピシャで野竹法師の山頂。藪漕ぎもなく快適、しかしブヨが多い。
野竹法師からゴンニャク山方面に歩き、急な植林帯から高山谷へ下降。出だしから急なナメ床、それを過ぎると連瀑帯が続く。
連瀑帯まではほとんど泳ぎが無いが、その先は大きな釜が増えてきて泳ぎも出てくる。雨も降っていないのでそれほどプレッシャーは感じず、飛び込みやへつりを楽しみながら下降していく。

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15時半頃に登山道の交差点へ到着。時間もロケーションも良いので今日はここでおしまい。この日の夕食はうまかっちゃん。翌日の朝(サラスパ)まで麺攻撃は続いた・・・。

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7月18日 快晴

6:00発→10:00黒蔵谷出合→登山道経由→13:00黒蔵谷入渓点
朝から快晴。渓に陽が射すと同時に泳ぎ始めた。途中の3m滝、5m滝は釜の水流に不安を感じたので左岸巻きのち懸垂下降。ここで少々時間を食ったが、この先はライジャケを着てガンガン泳いでいく。TRKS氏は結構な高さから何度もダイブ。若いなー。

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途中、林業用のモノレールや廃屋を見送ると八丁涸鹿。長く威圧感のあるゴルジュだが、足のつく場所も多かった。

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しかし南紀ブルーに包まれて泳ぎ下っていくのは最高。連休最終日とは信じたくない。
10時半頃、黒蔵谷/高山谷の出合に到着。ここからは右岸の登山道跡を辿っていく。不明瞭な道をコウモリ、ヒル、ミツバチをあしらいながら進むと 2時間ほどで林道に合流した。
下山後は川湯温泉の公衆浴場に入ってから帰阪。大阪在住のFKD氏に色々と案内してもらうつもりだったが、渋滞に捕まったので即帰京。今後に課題を残したのだった。