9月19-20日 只見川左岸/滝沢川

9月の3連休。本来であれば会越の沢の遡下降を考えていたが、初日は台風が直撃する予報。現地の増水の凄まじさは以前に身を持って体験しているだけに、突っ込む気になれず日月で他ルートに転進することに。
後半2日は安定している。ならば、という事で只見の滝沢川へ行くことにした。ここは前に地形図を見たときからゲジゲジマーク(=ゴルジュ)が気になっていた沢。どんな地形になっているのだろうか。トマの会や某氏が行っているのは知っていたが、前情報を仕入れるのもつまらないのでここは下調べ封印。
結果的に難易度はそこまで高くないものの、見事な渓相でまったく飽きさせない沢だった。あまり記録を見ない沢だがオススメ度は非常に高い。転進とはいえ大満足の山行だった。

<9月19日>
■晴れ 6:15タクシー合流ー滝沢川へ移動ー7:00入山ー7:40沢ー13:05Co640m直瀑-14:10 12mヒョングリ滝ー15:30Co730m二俣ー15:45Co770m幕営
峰越林道(林道本名室谷線)と、御神楽岳登山口への分岐点でタクシーと待ち合わせ。車をデポしてタクシーで滝沢川へ向かう。
20分弱登山道を歩いた後は、幽ノ沢方面の分岐と別れて踏み跡を辿って滝沢川の入渓点へ向かう。出合~450mの二俣までは平凡な小川といった様子で、地形図上でゴルジュマークの出る辺りから川幅が徐々に狭くなってくる。
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が、困難な所はなく快適に遡行。前日までの台風の影響が残っているかと心配だったが、ほとんど増水していないようだ。左岸に特徴的な岩峰を見ながら遡行を続ける。

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地形図上で「滝沢川」の記載がある辺りから両岸が狭くゴルジュらしくなり、泳ぎやヘツリを多用することに。それでも困難なところは少なく快適なレベル。増水したらかなり大変だろう。

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右からスダレ状の滝が落ちるゴルジュにつくとその先には2段8mの滝。高巻くなら左岸からだが、登れる気がする…という事で空身トライ。最初の釜を少し泳ぎ、左壁のクラックから側壁に取り付いて突破した。少し悪かった。

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滝の上は穏やかなナメとゴルジュ。台風一過の晴天ですこぶる快適だ。

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少し泳ぐと2段の滝。ホールドが若干細かいが問題はない。この滝を登った辺りが地形図上でゴルジュマークが終わっている所。左から美しい滑床の枝沢が出合う。

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地形図の滝マークには何も無いがCo650mまで行くと12m直瀑。ここは右岸から出合うスラブからトラバースで問題なく巻ける。

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滝上は地形図では等高線も広がり一見何も無いように見えるが、実はここからが連瀑帯。 と言っても難しいものは無くどれも快適に登れ、とても見事な渓相だ。

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連瀑帯の最後には12-14mくらいのヒョングリ滝。これは無理なので左岸から巻く。 パット見で右のリッジから巻けそうだが途中に2mほどの垂壁があって悪そう。少しだけ下流の草付き&泥壁から登ると、それほど苦労せずに巻くことができた。ロープ1P。

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730mの二俣はかなり小さく泊まれる場所があるか不安になったが、左俣を10分ほど遡行するとまあまあの河原があったので幕場にした。増水には耐えられないので、水が心配な場合は二股のリッジ状を整地して泊まるしかないだろう。 1ヶ月山に行ってない間に山はずいぶん秋めいていた。夜は涼しく、虫もいなくて快適。

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<9月20日>
■晴れ 5:30BP-8:50/9:00貉ヶ森山ー9:45/10:00峰越林道-12:10車
昨日のうちに悪場は越えているのでこの日は貉ヶ森山へ詰めるだけ。と言っても、790mの二俣までは昨日と同じような釜を持った小滝が続く。濡れたくないのでバランシーなヘツリを楽しみながら遡行。 790mの二俣は左が本流の雰囲気で、貉ヶ森へ詰める右沢は一気に水量が減る。問題ないレベルだが、ヌメって少々悪い小滝が多い。

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1020mで右から小さな枝沢が出合う。今回は意識していたので見逃さなかったが、言われなければ気づかないレベル。稜線の藪は厄介そうなので貉ヶ森山の近くに出たければこの枝沢を登った方が良い。(見逃して稜線まで抜けても特に問題はないと思うが)ボサっぽい沢から最後は10分ほど藪を漕ぐと山頂まで100mほどの所に出た。

貉ヶ森山は昔から名前が気になっている山だったので登れて良かった。山頂からは御神楽岳や前が岳南壁、さらにその奥には飯豊連峰も見える。

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飯豊で見えている沢筋は前川や裏川の矢沢だろうか。裏川は再訪したい。
山頂からは踏み跡を辿って峰越林道まで。

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いつか室谷側からも来てみたい。 あとは林道を2時間ほど歩いてデポした車へ戻った。久々に雨の心配をしなくて良い山行で、非常に楽しかった。

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<メモ>
・結果的に、林道は分岐点から5km弱の所まで車で入れた模様。開通状況を役場に確認した上でタクシーを予約すれば歩きが短くなると思う。
・貉ヶ森山はドコモの電波入ります。峰越林道も意外と電波アリ。
・分岐点~滝沢川の車止めまでは40分、約7,000円。
・下降の林道歩きは休憩込みで2時間半。足の揃ったパーティーであれば、下降路として大石田沢を選んでも面白いかも知れない。
・金山町は温泉が豊富で共同浴場が充実しているが、コロナの影響で町外の人間が入れる場所は限られる。事前に調べておいた方が良い。