大塔川黒蔵谷でウォータークライミングを満喫

7月の3連休は前から気になっていた南紀の黒蔵谷へ。
GWから10月まで泳げるらしいが、どうせ行くなら盛夏でしょ!と思って計画した。が、入山前はなんとも微妙な予報・・・まあ、なんとかなるだろうということで決行したのだった。

 

7月16日(土曜)晴れ

11:00入渓→15:30高山谷出合
言うまでもないが仙台から南紀は遠い。新幹線と夜行バスを乗り継いだ結果、18時半に会社を出て、入渓点に着いたのは翌10時。体はダルいが、年一のイベントと思えば何とか我慢できる。

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幸い天気は快晴で絶好の泳ぎ日和だ。入渓してすぐに挨拶代わりの10m鮎返滝。泳いで左壁に取り付いてからステミングで突破。他の人の記録ではサラッとしか触れてなかったけど、まあまあ渋かった。

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この先は泳いで、泳いで、泳いだ。普段行く沢では巻いてばかりなので、これほど泳ぐのは初めてだ。流れもなく易しいがさすがに疲れるが、南紀ブルーとでも名付けたいような水の色に心を奪われる。

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15時半頃に高山谷の出合に到着。先行パーティーは船橋労山だった。こんな所まで来て関東の山岳会に会うとは・・・

タープを張って焚き火を熾したが、食べたのは棒ラーメン。学生時代に吐くほど(マジで)食べたメニュー、変わったのは薬味を入れる知恵がついたことぐらいだろうか。でも、悪くない。
昔の話、今の話、これからの話し、いろいろ話したはずだがあまり覚えていない。気づいたら全員焚き火の近くで寝ていたのでタープへ移動。蚊もいなくて快適だった。

 

7月17日

6:00発→12:45野竹法師→14:00高山谷→15:30登山道合流点
昨日の夜は棒ラーメンだったが今朝は青の洞窟。これが社会人パワー・・・!気合を入れて朝イチから泳ぎがスタート。

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出合から少しで現れる滝は左壁から登り、巨岩帯をクリアすると13m滝と黒蔵滝だ。13m滝は右岸を巻いてから懸垂下降、黒蔵滝は左岸から巻いてクライムダウン。この山域らしく、灌木はあまり強くないので注意が必要だ。

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両岸が迫ってきて幕営適地が増えてきたら10mの斜瀑。一見逡巡するが、取り付けば意外と簡単だ。この先はかつての炭焼き跡か、石垣や割れた茶碗などが散見された。

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どんどん急になる沢筋から中間尾根に移ってしばらくすると、ドンピシャで野竹法師の山頂。藪漕ぎもなく快適、しかしブヨが多い。
野竹法師からゴンニャク山方面に歩き、急な植林帯から高山谷へ下降。出だしから急なナメ床、それを過ぎると連瀑帯が続く。
連瀑帯まではほとんど泳ぎが無いが、その先は大きな釜が増えてきて泳ぎも出てくる。雨も降っていないのでそれほどプレッシャーは感じず、飛び込みやへつりを楽しみながら下降していく。

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15時半頃に登山道の交差点へ到着。時間もロケーションも良いので今日はここでおしまい。この日の夕食はうまかっちゃん。翌日の朝(サラスパ)まで麺攻撃は続いた・・・。

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7月18日 快晴

6:00発→10:00黒蔵谷出合→登山道経由→13:00黒蔵谷入渓点
朝から快晴。渓に陽が射すと同時に泳ぎ始めた。途中の3m滝、5m滝は釜の水流に不安を感じたので左岸巻きのち懸垂下降。ここで少々時間を食ったが、この先はライジャケを着てガンガン泳いでいく。TRKS氏は結構な高さから何度もダイブ。若いなー。

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途中、林業用のモノレールや廃屋を見送ると八丁涸鹿。長く威圧感のあるゴルジュだが、足のつく場所も多かった。

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しかし南紀ブルーに包まれて泳ぎ下っていくのは最高。連休最終日とは信じたくない。
10時半頃、黒蔵谷/高山谷の出合に到着。ここからは右岸の登山道跡を辿っていく。不明瞭な道をコウモリ、ヒル、ミツバチをあしらいながら進むと 2時間ほどで林道に合流した。
下山後は川湯温泉の公衆浴場に入ってから帰阪。大阪在住のFKD氏に色々と案内してもらうつもりだったが、渋滞に捕まったので即帰京。今後に課題を残したのだった。

5月1-3日 西表島ユチン川~イタジキ川

冬から雪が少ないと嘆いていた今シーズン。普段のGWならスキーに出かけるが、モチベーションも上がらないので趣向を変えて南の島で沢登りをすることに。

 

<5月1日>

9:00ユチン橋→10:00ユチン大滝→12:00分水嶺→14:30幻の池

前日に上原集落の宿に入り、朝のバスで宿から移動。ユチン橋には停留所がないが運転手さんに伝えればおろしてもらえる。上原の集落から40分弱、600円。ユチン川の入渓点は本土の沢とは全く違う雰囲気で、なんとも言えない怪しさが漂っている。

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大滝まではトレッキングコースがあるのでそちらで時間を短縮。
大滝でクールダウンしてから高巻きへ。滝の上もところどころ踏み跡が残っている。

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滝から2時間ほどで西表島分水嶺へ。ここからは沖縄県最大の川である浦内川の支流を下降していく。
沢は淀んだ淵が多く、ヘドロのラッセル…。ヘドロを踏むとメタンガスの強烈な匂いが立ち込める。(追記:メタンは匂いしませんね・・・硫化水素とか、別の匂いと思われます)
藪漕ぎで少し苦労して、14時半ごろに幻の池と呼ばれる大きな淵へ到着。

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2人とも熱中症気味なのでここで行動を打ち切った。池の上流に平らな場所があったので幕営
夜も暑く、パンツ一丁で寝た。

 

<5月2日>
7:20発→14:30マヤグスクの滝→17:30浦内川展望台

朝から泳ぐのも気が乗らないので、幻の池は左岸から高巻きで処理。池からすぐの巨岩帯は最初の滝だけ右岸から10mの懸垂下降。
その先は沢通しに下降したが、岩が非常に滑りやすく苦労した。

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 この先も基本的に鬱蒼としたジャングルの中を進むが、途中で200mの大ナメ。気持ち良い。オオウナギリュウキュウイノシシを見る。

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 大ナメが終わると支沢が合流して大きな淵が続く。50m級の淵で泳ぎが連続するが寒くはない。というか水がぬるい。

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 連続する大淵が終わると多段6m滝、幅広の5mの滝が続き次第に谷が狭くなり、マヤグスクのゴルジュへ。

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 ゴルジュ内の下降は厳しそうなので右岸から高巻き、20mの懸垂下降でマヤグスクの滝の落ち口へ降り立つ。ホール状の空間への空中懸垂が印象的だった。

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 マヤグスクの滝を慎重に降りると核心は終了。振り返ると扇状に広がるマヤグスクの滝と、その上に広くえぐれた岩壁。

壁にへばりつくシダやヤシの木のおかげで異国情緒たっぷり。

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 マヤグスクの滝で泊まる予定だったが、時間に余裕もあるので先へ進む。カンピレーの滝とマリュドゥの滝の滝を過ぎて浦内川展望台で幕営した。

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<5月3日>

8:30展望台→9:00軍艦岩

30分だけ歩いて船着場へ。始発のボートでマングローブ林を眺めながら下山した。

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<メモ>
・過去に林野庁が入ったようで、ユチン川~幻の池の間は赤布や踏み跡が多少残っている。
基本的には沢沿いに行動するのが楽だが、赤布や踏み跡が残っている場所はそちらを使ったほうが良い。
・川底には泥が溜まっており滑りやすい。岩も苔が多く非常に滑りやすい。靴はフェルト推奨。
・害虫系は蚊、マダニ、ヤマビル等。その他ハブやイノシシ。本州より虫が多いので寝るときはテント推奨。