西表島の南部海岸線を歩く

記録的な小雪・・・と言う事で去年のGWは西表島沢登りをしたわけだが、

 

weekendclimber.hatenablog.jp

 今年も西表島に来てしまった。
うちの奥さんも気に入ってくれたのが大きい。ここなら徳を積みながら山にも行ける訳だ。

去年に引き続き沢でも良かったが今年は南部海岸線をチョイス。
それなりに記録が多いルートだが、砂浜で焚火を熾して遠浅の海を歩くという如何にも!な冒険感は捨てがたい。


<5月1日>晴れ
10:20南風見田の浜トーフ岩→16:00大浜
まずは宿を取っていた上原集落から入山口の大原集落までバスで移動。
バスを降りてから1時間の車道歩きで南風見田の浜に到着。ここからが海岸歩きとなる。

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さて、ここからは常夏の島でビーチを満喫・・・と行きたいところだが、西表島は山が海岸まで迫っており平地に乏しい。
南風見田の浜から30分ほど歩いた辺りでさっそく巨岩帯出現。この後も鹿川湾までは8割が巨岩帯、残り2割が砂浜という比率である。

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巨岩帯はアップダウンが多いしたまに出てくる砂浜は照り返しがスゴい!という事で地形図上は平地に見えても予想以上に時間がかかる。
ただ、浜への流れ込みは豊富なので水には困らないのが幸い。時々水を浴びながら、熱中症にならないようゆっくりと歩みを進めた。
18時ごろテン場に到着。流れ着いたゴミも多いがお陰で流木も多く、一発で豪快な焚き火となった。

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<5月2日>雨のち晴れ
6:40大浜→8:50クイラ分かれ(高巻き)→9:40巻終了→12:00鹿川湾→13:00分水嶺→15:00ウダラ川河口→15:30網取湾
この日も大浜からすぐに巨岩帯。二日目だと慣れたものでスイスイ進んでいく。

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2時間ほどでクイラ分かれに到着。事前の調査ではここがポイントと把握していたが、アダンに下がった目印のブイを直ぐに発見。それほど労せず巻道に入ることができた。

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巻道は不明瞭だがテープもあり、高巻きに慣れていればそんなに難しくないと思う。ただ道は急でかなりヌメる。100mほど高度を上げて尾根筋へ。ここから下降点までもテープがあり、下降点にもブイが下がっている。

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下降点からは川沿いを下降していくが、最後は滝になっているので注意が必要。直前で右に踏み跡があるのでそちらへ移動した。
高巻きを終えると今日の目的地、鹿川湾が見える。時間はまだ余裕があるがこのあたりで空から雨粒が・・・気温も高いし面倒なので雨具を着ずそのまま行動。

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なんだかんだ見えてからが遠く、12時頃に鹿川湾に到着。ここは以前集落があったところで、ところどころに人の気配も残っている。
とりあえず本日のノルマはクリアしたが時間も余裕あるし、この天気では焚火でのんびりもできないので先へ進む。
ここからは浜への流れ込みを辿ってウダラ川との分水嶺を目指すが、浜には2本沢が流れ込んでいるので注意が必要。(北西に伸びる流れ沿いを進むのが正解)
分水嶺への踏み跡はやや不明瞭だが、テープを辿ると1時間ほどで分水嶺に到着。ここからはウダラ川を下降していく。
川が広く、流れがほとんど無くなってくるとそこはウダラ川の河口付近。シオマネキ、アナジャコで賑やかなマングローブ林の中を進むと網取湾に出る。

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ここはかつて西表のターザンと呼ばれたお爺さんと犬が二人で暮らしてた辺りだそうで、少し森のなかにはいるとかまどやテーブルが残っている。僕らもありがたくその跡を使わせて頂いた。
目の前の干潟ではコメツキガニが泥団子を作り、カニを狙ってイノシシが浜に降りてくる・・・自然の営みを見ながら泡盛で乾杯。

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<5月3日>晴れ
6:30網取湾→7:00サバ崎の山越え→8:00山越え終了→9:20イダの浜→9:35船浮集落

6時半頃に船浮集落を目指して出発。

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この日は前日までと打って変わって砂浜を歩き、海に浸かりながらの行動となる。
遠浅の海をひたすら進むのは非常に印象的。スケールの大きい景色が続くのでイマイチ距離感がつかめない。

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 足の周りを熱帯魚がすり抜け、森の中からはアカショウビンの鳴き声。忘れられない経験になった。
前日に前倒しで行程を消化したこともあり9時半頃イダの浜に到着。ここは船浮集落から10分ほどのビーチだが地理的な条件から一切ゴミが流れ着いておらず、非常にきれいなところだった。ここ単体でシュノーケリングに来ても良さそう。ここで無事、山行終了。

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船で対岸の白浜集落に渡り、3日ぶりのビールを満喫した。

<メモ>

・海沿いを行くルートなので事前に潮汐表で干潮と満潮の時刻と潮位を確認する必要がある。

・海沿いは立ち木が少ないのでタープやツェルトは使いにくい。自立式テント推奨。

・基本的に登攀具は不要だが、念のため30mロープとカラビナ+スリングを持参した。結局使用せず。

・船浮集落から西表島の主な集落(上原、大原等)へは船とバスを乗り継ぐことになる。船は1日3-4便、船とバスは特に接続していないので注意が必要。我々は9時半に船浮集落/10時半発→10:40白浜着/12:40白浜発→13:10上原着だった。