10月8-9日 水無川真沢~祓川の遡行

10月の3連休は会越方面のルートを考えていたが、土曜日が不安定そうなので去年から狙っていた水無川の真沢へ。二日間とも快晴!とは行かなかったが紅葉と爽快な沢登りを楽しめた。

10/8(日)

5:40 ゲート-7:20 デトノアイソメ-8:20 御月山沢の巻き 9:50-12:30 北沢出合-13:20 幣ノ滝上C1
千ノ沢小屋までの林道に車で入ろうとしたところ砂防工事で通行止め・・・いきなり出鼻をくじかれたが3km程度なので気を取り直して歩き出す。
4年前に登ったオツルミズ沢出合を過ぎ、デトノアイソメまで淡々とアプローチ。時期も遅いのでデトノアイソメの雪渓は消えていたが、御月山沢出合のゴルジュには大きな雪渓がかかっている。ここは左岸ルンゼから草付をトラバースして高巻き。

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GR260557-2 ルートファインディングは比較的容易だが足元が悪く、スリップすれば雪渓に吸い込まれる。初心者不可の高巻だ。最後は懸垂下降で沢床に降り立ち、1時間半ほどで巻きが終了。

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西沢出合を過ぎてからのゴルジュ帯は一見して通過不可能なので、右岸の草付を高巻いて40mの斜め懸垂で処理。

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降り立ってすぐに関門ノ滝(50m)が姿をあらわす。美しい直瀑だ。

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関門ノ滝は左壁をロープ1Pで登り、続く30m逆くの字滝も左から1P。その先にも10m級の滝が連続するが全て直登可能。総じて岩も硬く快適な登攀が楽しめる。

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周囲が開けてくると沢は100m級の大滝をかけて二俣に分かれる。水無川北沢/真沢の二俣だ。本当に素晴らしい景観なので大休止。ここまで曇りがちだったが、晴れ間が広がり紅葉も見事だ。

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真沢から落ちる幣ノ滝(150m)は右壁をフリーで登り、傾斜が立ってきたあたりで1Pロープを出す。冷たい水流に手を突っ込みながら斜上トラバースし、左壁のブッシュを繋ぎながら落ち口へ。ムーブは大したことないが、ヌメってプロテクションも取れないので緊張した。

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幣ノ滝を登りきったところで13時。進もうと思えば進めるが、この先に良さそうなビバークポイントも無いので適当な川原を整地してツェルトを張った。
スラブの沢という事で薪も期待していなかったが、かき集めれば朝晩と焚き火を楽しめるぐらいの量は確保できた。思いもかけず快適なビバークとなり、19時頃就寝。

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10/9(月)

5:45 C1-6:10 白龍ノ滝-7:10 祓川大滝-8:20 登山道-9:30中ノ岳-10:45 日向山-11:55 十字峡
朝も焚き火で体を温めて5時半ごろから行動開始。ビバーク地からすぐの20m滝は右壁にロープを出して快適に登る。

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20m滝の上で沢が急激に狭くなり右へ大きく回り込む。核心となる白龍ノ滝(50m)だ。

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登った記録も見ていたので一応取り付いてみるが、右上する凹角のラインは逆層かつリスやクラックも乏しくかなり悪そう。メンバー全員とも絶対に登る!という意気込みでは無かったのでロワーダウンで敗退。左岸のルンゼから簡単に高巻き、ドンピシャで落ち口に出ることができた。

白龍ノ滝の先には小さな川原があり幕営適地となっている。昼くらいまでに幣ノ滝を抜けられればここまで足を伸ばすのもありだと思うが、薪も無いし増水にも弱そう。よっぽど急ぐ必要がなければ幣ノ滝を抜けた場所が最適だろう。

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ここを見送った先が真沢と祓川の二俣。祓川からは祓川大滝(250m)が落ちている。圧倒的なスケールに少々気圧されるが落ち口付近まではほぼフリーで快適に登れる。落ち口付近だけ1Pロープを出して突破。落ち口から振り返ると対岸には越後駒ヶ岳と極楽尾根。やはり水無川流域のロケーションは素晴らしい。

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続くチムニー状滝を二つ越えると沢は一気に癒し渓の源頭となり、やがて登山道に合流。

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中ノ岳まで標高差350mアップを黙々とこなして山頂には9時半頃到着。晴れたりガスったりですっきりしない天候だが紅葉は見ごろで、下山中もあちこちで目を楽しませてくれた。

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十字峡までの道はかなり急でしんどいが、飛ばせば昼前に降りられるかも・・・というしょうもない考えのもと猛ダッシュ。おかげで早く下山できたが猛烈な筋肉痛に2日ほど苦しめられた。
三国温泉で汗を流して渋滞の中帰京。昼に下山したのに東京についたのは19時でした。

9月2-3日 清津川の足尾沢を遡行

2年前に挑戦しながらも大増水で転進し、宿題となっていた足尾沢に再チャレンジ。
足の揃ったメンバーでなかなか楽しめました。

<9月2日>
6:30八木沢→8:30足尾沢出合→12:00 40m大滝下/高巻き→14:00巻き終了→16:00幕営

八木沢から気持ちのよい山毛欅の森を歩く。前回来た時は清津川が青白く濁り轟々と音を立てていたが、それに比べれば今回はいくぶんかマシ。鹿飛橋から先は登山道も少々分かりづらいが、2時間ほどで足尾沢橋へ到着。ここで装備を整えていざ入渓。

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最初の千ノ滝は右から簡単に高巻いて落ち口に懸垂下降。そこからすぐの3m滝は水流右を登るのが一般的なようだが、流れが深く離陸が厳しい。

アブミかなーと思ったが、よく観察すると5mほど戻ったあたりから絶妙なバンドを拾えそう。右壁にロープを伸ばしてから左に3mほどトラバースし、凹角を登ると簡単に突破できた。ここで1時間位かかるパーティーもいるようだが時間を節約できた。

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 くの字滝は水流右をへつり、さらに次の5m滝は水流右にロープを伸ばす。岩も固く、ゴルジュ内のクライミングは快適だ。

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5m滝の上で怪しげなモヤがかかってきたと思うと、スノーブリッジが登場。脇を行けないか偵察したが降りるのが困難。高巻きも悪そうなので覚悟を決めて潜る。

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12m滝は左のルンゼにロープを伸ばして巻き、落ち口へ10mほどの懸垂下降。巻きは特に難しくないが、ピンも取れずヌメっていたので少々緊張した。ここからしばらく沢は平凡な河原になる。

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すこしダレてきたころ、遂に40m大滝が登場。足尾沢は幅狭のゴルジュが続いているがここで一気に大空間が広がる。ここは大高巻きになるという事でしばし休憩。水を汲んでから高巻きを開始する。

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左岸のガレを登ってから急な灌木帯を登り、高度を上げてからトラバース開始。大滝を過ぎたあたりで大滝上のゴルジュ帯をのぞきに下降するが、突破は厳しそう。狭いルンゼを一本またいでから小さな尾根を下降するとゴルジュ帯の上に降り立った。
時間は14時。ここで幕営するパーティーも多いようだが、時間も余裕があるので行けるところまで行くこととする。

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ここから先が第4ゴルジュ。滑る岩と小さいながら面倒そうなCS滝が続くので左岸からまとめて巻いて処理。ウォータースライダー状態の第5ゴルジュを突破するとナメと河原の平凡な流れになった。

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時間は16時。頑張れば林道の出合まで行けそうだが無理して頑張ることもない、という事で適当なあたりで幕営

星座が見え美しい夜だった。

 

<9月3日>
5:10幕営点→6:30林道→9:45八木沢
3時頃起床。焚き火で体を温めてから出発。林道までの間は特に何もなく、淡々と遡行。

本当は足尾沢を源頭まで詰めたかったが、少々足の調子が悪いので完全遡行は同行の2人にお任せ。残念だけどハイライトは昨日の終えたし無理する必要もないだろう、という事で。
黙々と林道を下って3時間ほどで八木沢に到着し、ゆっくり片付けてから2人を車でピックアップ。15時には都内で解散できた。

 

<メモ>
・雪渓処理を考えると9月がベストシーズンと思われる。
・大滝上のゴルジュは詳細不明。高巻きの途中からゴルジュ内への下降は50mロープ×2が必要か。
幕営適地は50m大滝下、高巻き終了ポイント、第五ゴルジュ~林道出合まで随時。
・林道出合で遡行を打ち切るのが一般的だが林道歩きはダルい。(約15km、3時間強)足の揃ったパーティーなら上部遡行~外ノ沢下降も面白い